株式会社の設立

会社法による会社分類(3分類)

 会社法では、類型を株式会社と持分会社に 2 分され、持分会社にグルーピングで組み込まれたのは、旧商法の合名会社と合資会社、それに会社法で新設された合同会社の 3 つの会社類型。有限会社法の消滅で特例有限会社として存続し、名前は使用できるが法律上は株式会社として取り扱われます。

 会社法といえば株式会社が大きな比重をしめますが、その分類は概ね資産規模、株式譲渡性、支配関係の有無の 3 領域での理解が重要であす。

 尤も会社法の他にも金融商品取引法、法人税法では、会社の親子関係、大会社と大会社でない会社の区分等において各々の法令目的で、目的に応じた規制を施しています。

 また分類としては、会社が清算、解散される場合には、清算法人という分類されます。更に外国会社という概念があります。外国会社とは外国法に準拠して設立された絵入り社団をいいます。この会社の法律対応は国際私法の問題です。

では次に会社法での中心的なな株式会社の上記 3 領域について、その概要を見てみましょう。

 

Ⅰ.資産規模による分類

 1.大会社

 会社法上の題会社は次のいずれかに該当する株式会社です

イ)最終事業年度の貸借対照表の資本金が 5 憶円以上

ロ)同貸借対照表の負債の部の合計額が 200 憶円以上

大会社でない会社の規定はありませんが、

一般に「大会社でない会社」「中小企業」等と呼ばれます。

2. 大会社にのみ適用される規定

(1)大企業は次の機関設置及び機能が必要です

ロ)監査役会及び会計監査人

ハ)取締役、取締役会の内部統制システム構築

ニ)貸借対照表のほか、損益計算書の公示

ホ)金融商品取引法の有価証券報告書提出会社は,連結計算書類の作成

ヘ)清算開始のときは、監査役の設置

(2)監査役会・家計監査人を置くべき会社

 

公開会社

     非公開会社

委員会設置なしの大会社

監査役会

会計監査人

会計監査人

委員会設置をした大会社

          

会計監査人

大会社でない会社

          

 

3. 中小企業基本法の中小企業

中小企業基本法では、資本金額と従業員数のいずれかに該当すれば「中小企業」となる。また持分会社、個人事業にも適用される。

   業種

資本金又は出資総額

従業員数

製造業、建設業、運輸業など

 3 億円以下

300 人以下

卸売業

  1 億円以下

100 人以下

サービス業

  5,000 万円以下

100 人以下

小売業

  5,000 万円以下

50 人以下

4. 法人税法上の区別

 法人税法では資本金の額(出資金の額)が1億円以下の法人は、通常の法人税率30%を18%等に軽減しています。

Ⅱ. 株式譲渡制限の有無による会社の分類

1. 公開会社の定義

 公開会社とは、発行株式の全部又は一部に譲渡制限で会社の承認が要る旨の定款規定のある株式会社をいう。

 

2. 公開と非公開会社の取扱の違い

ID

取扱いの論点

公開

非公開

1

発行株式総数

発行可能株式総数の 1/4 以上

規制なし

2

役員選任可能な種類株式の発行

発行できない

発行できる

3

配当・決議権等での株主の異なる取り扱い

 不可

定款で規定可(但し定款変更は規制あり)

4

決議権制限株式の数

発行済株式総数の 1/2 以下

  -

5

株主への通知

公告で代替可

特例なし

6

株主への通知等

広告又は通知

通知

7

特定株主からの自己株式取得の株主通知及び売主追加請求権

全ての場合に適用

相続その他の一般継承により取得した場合には不適用

8

発行株式の募集事項の決定及び募集新株予約権募集事項の決定

取締役会の決議

株主総会の特別決議(但し株主割当は定款で取締役会決議が可)

9

株券の発行

遅滞なく株券を交付すべし

請求あるまで株券交付しない事が可

10

株主総会、創立総会の招集通知

総会の日の 2 週間前に発送

総会の日の 1 週間前に発送

11

株主総会招集請求権、及び清算人解任申立て権

3 %以上の決議権が 6 か月前からある株主

公開会社の 6 か月以上の要件が不要

12

特別清算開始の調査命令申立、及び役員解任の訴え提起が可能な株主

6 か月以上 3 %以上の決議権又は 6 カ月以上 3 %以上の発行済株式保有

公開の 6 か月以上の要件が不要

13

株主提案権、議案要領通知請求権

6 カ月以上 1 %以上又は 300 個以上の決議権ある株主

公開の 6 か月以上の要件が不要

14

株主総会招集手続等の検査役選任申立権

6 か月以上 1 %以上の議決権ある株主

公開の 6 か月以上の要件が不要

15

取締役行為差止、責任追及の訴え請求権

6 か月以上株式を有する株主

制限なし

16

執行役行為差止権

6 か月以上株式を有する株主

委員会設置会社では制限なし

17

株主総会の特殊決議

株式交換、株式移転等の場合に必要

規定なし

18

取締役会の設置

必要

規定なし

19

監査役会、会計監査人の設置

大会社は必要

会計監査人のみ必要

20

取締役の株主要件

定款の定め不可

定款の定め可能

21

執行役の株主要件

定款の定め不可

定款の定め可能

22

取締役の任期

2 期目の定時総会終結時まで

定款で選任後 10 年目の定時株主総会終結時までとする事が可

23

監査役の任期

上記 2 期を 4 期に

同上

24

定款による監査範囲の限定

 不可

会計に関するものに限定ができる

25

清算株式会社の機関

監査役を置く必要

規定なし

26

株券発行等無効訴訟の提訴期間

株式発行等の効力が生じた日から 6 か月以内

株式発行等の効力が生じた日から 1 年以内

27

記載要件ある書類

株主総会参考書類、事業報告書、事業報告の付属明細書

適用なし

Ⅲ. 支配関係による分類

1. 会社法での親会社、子会社

親会社とは、決議権の過半数を掌握、又は実質的に支配関係がある株式会社たる子会社の経営を支配している法人のこと。

子会社とは、会社がその総株主の決議権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営権を支配している法人で、実質的支配がある法人のことです。

2.親会社、子会社の規定

(1)  子会社の規定

イ) 親会社の株式取得は不可。相当の時期に株式は処分を要する(法 135 条①③)

ロ) 子会社の計算において親会社の株主に利益供与すること(法 120 条①、同 970 条)

ハ) 各取締役に委任できない内部統制システムのの構築に「企業集団における業務の適性を確保するための体制」が含まれる(法 348 条③、362 条④)

ニ) 公開会社の場合、株主総会参考書類に、役員候補者等の親会社における地位・担当等、会計監査人候補者が親会社から多額の金銭等の受領予定があるとき又は受領したときは、その内容を記載しなければならない(施行規則120 条①・ 124 条⑧・ 119 条②)

ホ) 監査役は、監査報告書の作成に当たり、互いに意思疎通を図るよう務めること(施行規則 105 条④・ 107 ④)。

(2)親会社の規定

イ)  決議権制限の相互保有株式(議決権の 1/4 以上)につき子会社の株式数を含めて判断する(法 308 条①)

ロ) 子会社から自己株式を取得する場合、自己株式取得の手続きは不要(法163 条)

ハ) 会計参与、監査役等の欠格事由に、その会社及び子会社の役員を含む (法 333 条③)

ニ) 各取締役に委任できない内部統制システムの構築に「企業集団の業務適性確保の体制」が含まれる

ホ) 会計監査人設置会社は、連結計算書類を作成することができる(法 444 条①)。

へ) 公開会社の場合、事業報告書の内容に重要な親会社及び子会社の状況、子会社の役員等に付与した新株予約権等 がある場合は、概要及び付与人数を含めなければならない(施行規則 120 条①・ 123 条)。

ト) 業務執行の監査役は子会社の業務及び財産状況を調査できる(法358 条④)。

チ) 会計参与等は子会社に対し会計報告を求め、業務、財産の状況を調査で きる(法 374 条③)

その他にも重要な規定がありますが紙面の都合で

割愛します。以上