株式会社の設立

株式会社設立と会社法(商号の不正利用)

I 商法と会社法の違い

 株式会社を規定する会社法は、旧商法の会社に関する第 2 編と、有限会社法等を取り込み、平成 18 年 5 月 1 日施行されました。現行の商法は総則、商行為、海商を規定する。また保険については平成 20 年に保険法が独立制定されました。

 商法の①総則は通則、商人、商業登記、商号、商業帳簿、商業使用人、代理商等を規定し、②商法の商行為は、売買、交互計算、匿名組合、仲立営業、問屋営業、運送取扱営業、運送業(物品運送、旅客運送)、寄託(倉庫営業)、保険(損害保険(火災保険、運送保険)、生命保険)等で構成され、③商法の海商は、船舶及び船舶所有者、船長、運送(物品運送(船舶証券)、旅客運送)、海損、海難救助、保険、船舶債権者等を規定します。

Ⅱ 株式会社の成立ち

 株式会社は会社の一つで、大きくは法人の一つです。法人とは、自然人以外で、法律により権利能力の帰属主体と認められたものです(民法 33 条①)法人には相続財産法人、一般社団(財団)法人、特定非営利活動法人、宗教法人、医療法人、学校法人、地方公共団体など、お呼び会社(株式会社(特例有限会社)、持株会社(合名・合資・合同会社)があります。会社は営利活動を行い、利益を出資者に分配する目的の社団ですが、会社法にその存在根拠があります。

Ⅲ 株式会社の特徴

1. 株式
  株式会社は、会社の所有者(社員)たる出資者が会社を支配し、会社活動に拠る利益を受取ります。社員の地位は、譲渡性を高めるため割合的な単位の形式で細分化されていますが、その地位を株式といいます。また株式を持つ社員のことを株主と呼びます。

2. 社員の責任
 会社の株主の責任は、出資責任のみで、間接有限責任と言って、会社債権者への直接責任は負いません。これに対し、合名会社の社員は会社の債権者に対し無限責任を負います。なお合資会社では無限責任を負う社員と定款記載の出資額だけの責任を負う有限責任社員の両方がいます。

3.出資者と業務執行者の分離
 株式会社の経営は、多数株主が選任した少数の取締役などの業務執行者が意思決定及び執行を行います(所有と経営の分離)

4.出資持分の譲渡性
 株式会社では株式は原則として譲渡自由です。その譲渡制限には定款で制限をします。これに対し、合名会社の持分譲渡には社員全員の承諾が要ります。また合資会社、合同会社では、業務を執行しない有限責任社員の持分譲渡は、業務執行の社員全員の承諾があれば可能です。

Ⅳ. 法人格否認の法理

 法人格否認の法理の明文規定はありません。しかし多数の判例(最高裁S44.2.27判例等)で、①法人格が全く形骸にすぎない、②法人格が法律の適用回避に濫用されている場合は法人格は否認されます。

Ⅴ. 会社の商号
1. 商号とは
 商号とは商人の営業上の名称(ブランド・屋号)です。会社の商号はその屋号等に株式会社等の文字を入れたものです。

2. 商号の不正使用
 不正目的で他の会社と誤認の恐れのある商号の使用は許されません(会社法第8条①)。違反で利益侵害されまたは侵害の恐れがある会社は、侵害の停止又は予防を請求できます。またその不法行為には損害賠償を請求できます(民法第709条)。 なお商号使用を許諾した会社は、誤認により許諾を受けた会社との取引により、不法行為が発生したときは、許諾した会社も連帯責任があります(会社法第9条)。